第19回学術大会

English
ご 挨 拶

 北村和夫会長をはじめ理事の皆様,そして本学会のご関係の皆様のご高配を賜り,来る 2023年 4月21 日(金)~23日(日)に一般社団法人日本顕微鏡歯科学会第19回学術大会(福島大会)を担当させて頂きました。貴重な機会を与えていただきましたことに厚く感謝の意を表しますとともに,大会長として謹んでご挨拶を申し上げます。
 第19回学術大会では、現地開催と Webオンデマンド配信【期間:5月6日(土)~5月31日(水)】によるハイブリッド開催とさせていただきました。感染症を含めた社会の変化に対して柔軟に対応しつつ開催方法を変更するかもしれませんが,可能な限り有意義な大会にしたいと考えております。ご理解とご協力の程よろしくお願いいたします。
 現代医療において「Minimal intervention(低侵襲治療)」「Precision medicine(精密医療)」および「Personalized medicine(個別化医療)」が注目され、各分野で積極的な取り組みが行われています。歯科治療における低侵襲な精密医療の実践には顕微鏡を併用した診断と治療が不可欠です。それで、今大会のメインテーマを「口腔疾患に対する顕微鏡下の精密治療」にしました。実体顕微鏡を応用した精密な診断および治療が口腔の健康を守り,患者自身の健康文化を高め、健康寿命の延伸に貢献できる歯科医療について議論する大会に出来れば幸いです。  
歯科治療は「口腔内」という非無菌部位に対して生じた感染と組織破壊に対して行われる医療行為であり、良質な経験に基づく繊細な術式が要求されます。とりわけ、歯内療法においては、医原病を起こしやすく、歯周治療では、適切なタイミングで必要な治療がなされていないため、歯周炎が重度に進行しているケースにしばしば遭遇します。さらに、自然治癒の得られない硬組織の欠損を人工物に置換するため、疾患の再発と悪化のリスクを常に存在しますので、高度な医療を実践する上で精密歯科治療の重要性は今後もよりいっそう高まるでしょう。
WHOは口腔疾患を「生活習慣病」に分類していることからも、我々医療者側の努力に加えて、患者自身の健康文化を高めることで得られる行動変容と継続的な口腔ケアが不可欠なため、歯科衛生士の果たす役割は極めて重要です。
 本大会では,運営委員会および各委員会の皆様の多大なるご協力により多数の企画を実現できました。特別講演として,「手の外科」専門医である大阪公立大学の岡田充弘准教授に医科領域における精密治療の実際をお話しいただきます。「手作りの医療」と言われることの多い歯科医療を実践する我々にとって、手の精密治療は大変興味が持たれます。岡山大学名誉教授の渡邊達夫先生には,ライフワークでもある「宿主強化療法」と命名した「つまようじ法」の科学的根拠と臨床的効果についてお話していただきます。既存のプラークコントロールの概念が変わることでしょう。
 教育講演では、会員のお手本となる標準治療を石井信之先生(神奈川歯科大学)と菅原佳広先生(月潟歯科クリニック 新潟市開業)にご教示頂きます。治療技術の研鑽には必須です。一方、シンポジウムⅠでは、「マイクロスコープを利用した精密歯科医療の現状と展望」というテーマで学会内外から演者を募り、小原俊彦先生(おばら歯科クリニック 茨城県守谷市開業)、鈴川雅彦先生(AICデンタルクリニック 広島市開業)および河合竜志先生(けやき歯科クリニック 茨城県龍ケ崎市開業)に歯内療法、歯周治療およびインターデイシプリナリー治療における実体顕微鏡治療の実際をご講演いただきます。シンポジウムⅡでは、「マイクロスコープを用いた精密な歯周治療」というテーマで、中田光太郎 先生(医)洛歯会 中田歯科クリニック 京都府京都市開業)および長尾大輔先生(長尾歯科 茨城県ひたちなか市開業)にご講演をいただきます。
海外特別講演の演者は協力団体であるAMEDからご推薦を頂いた先生のご登壇を予定しています。
また,DH シンポジウムとして「精密歯科治療における歯科衛生士の役割」をテーマに,溝部潤子先生 (医療法人社団皓歯会、元神戸常盤大学短期大学部教授、)森田佳子先生(辻本デンタルオフィス)および清水直美先生(マイクロペックスハイジェニックラボラトリー)にご講演をいただきます。
 今回も昨年に引き続き懇親会を予定しております。大会開催時の状況次第ではございますが,参加者各位が旧交を温め、活発に情報交換を行える場になることを期待しています。学術大会の意義は、自分の得た知見の発表、最新情報の収集、技能向上のヒントを得る、新たな人的交流、グルメツアー、早朝マラソン、観光を含めて多目的ですので、多くの方々に本学術大会を楽しんで頂ければ幸いです。
 本学術大会が本学会の益々のご発展に寄与できるよう,我々大会運営委員会一同,精一杯準備していく所存でございます。多くの方々のご参加を心よりお待ち申し上げております。(大会長 高橋 慶壮)


第19回 日本顕微鏡歯科学会学術大会・総会
会 期 2023年4月21日(金)~23日(日) 
参加方法:
会場参加とWebオンデマンド配信【期間:5月6日(土)~5月31日(水)】
※当日のライブ視聴はありませんのでご了承下さい。
会 場 ビッグパレットふくしま(福島県郡山市)
https://www.big-palette.jp/
大会長 高橋 慶壮(奥羽大学歯学部歯科保存学講座教授)
副大会長 中村 慎介(中村歯科医院)
実行委員長 山田 嘉重(奥羽大学歯学部歯科保存学講座教授)

↑ PAGE TOP