JAMDサテライトセミナー札幌

 学術大会を約1ヶ月後に控えた2016年3月27日に札幌は北海道医療大学サテライトキャンパスにてセミナーが開催されました。

 大会長の川上先生(北海道医療大教授)のご挨拶(写真1)を皮切りにスタートし、地元の先生方から遠方は九州から会員非会員併せて30名以上が参加し、急遽席を増やしての対応という盛況ぶりでした(写真2)。 

  学会理事である吉田格先生(東京都開業)と北村和夫先生(日歯大教授)のお二人(写真3)が講師を務め、顕微鏡をどのように自院の診療に取り入れるのかという命題を基にそれぞれご講演頂きました。

 疼痛にて転院してきた患者に対し顕微鏡を使って初めてその原因を突き止めることができたという衝撃的な症例提示からはじまり、顕微鏡を使うとMaginification(拡大)、Illumination(照明)、Documentation(記録)という特長とともに効果的なPresentation(説明)の利便性をも手に入れることができることを述べられました。   

 また、本年4月の診療報酬改定にてCTにて診断や施設基準があるという条件の下に多根管やC-shape canalへの根管治療に顕微鏡加点が新たに設定されたというタイムリーな話題も相まって受講者は熱心に耳を傾けていました。

 北村先生が顕微鏡下根管治療における豊富なデータと臨床例を元に詳説をくださり(写真4)、一方吉田先生が齲蝕除去から外科処置に至るまであらゆる臨床場面における使用例を供覧しながら細かいテクニックをお示し頂きました(写真5)。   

休憩時間には5社に協力頂いた企業展示ブースにて実際に顕微鏡の扱い方などの解説や顕微鏡歯科治療にまつわる各種器具・材料の説明があり、顕微鏡導入を考えている先生方が業者や会員の先生に熱心に質問していました(写真6)。 

  さらに今回、大会を記念して学会オリジナルスクラブが初公開となり、早くも注目を集めていました(写真7)。

 顕微鏡は導入すると医院に大きな福音をもたらすものの、使うだけでいい治療ができるような魔法の道具ではなく「当たり前の治療を当たり前に行うための装置である」という言葉でセミナーが締めくくられました。 

  前日の夜は北海道の海の幸山の幸を堪能し、美味しいお酒も頂くことで親睦が深まりました。学術大会の準備を控えているにも関わらず非常に多忙な実行委員の方々の労もあり、とても有意義なセミナーとなりました。  

 このようなサテライトセミナーは全国各地で予定されております。また、冒頭にも述べたように、来月はここ札幌にて第13回学術大会が開催されるため、国内外からより多くの参加を期待しつつ地元を代表して実行委員長の板東先生のお言葉で閉会となりました(写真8)。

 当日入会を希望される先生方もいて、さらなる顕微鏡歯科の拡大を予見させる会となりました。

(文:柴原清隆)

 

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