日本顕微鏡歯科学会 2022年 第5回歯科衛生士セミナー

 2022年10月30日 第5回歯科衛生士セミナー『マイクロスコープからみる歯周治療』が東京都住友不動産神田ビル10階とWebにてハイブリット開催されました。

 歯科衛生士が大きく関わり大事な役割を担う歯周治療に関して長年臨床に携わってきた3名の演者が日々の臨床でマイクロで「診る」をテーマに講演していただきました。

 最初は市川歯科医院で勤務されてる佐藤 由美さん 演題 『診る』ためのマイクロ活用~TBI・超音波スケーリング編~ と題しまずは基礎知識である歯周病の病因論から歯周組織の構造を熟知し、基礎から振り返ることの大切さについてお話があり、その上で拡大視野化を確立できるマイクロスコープを使用することで詳細な病態の見落としがないようにすることが重要であること。またTBIでは患者さんの日々のセルフケアを動画で確認してもらうことにより、客観的に伝えることが重要であることをお話しされました。私自身は、患者さんにやっているTBIを 動画を使うことはありましたが、佐藤さんの患者自身のセルフケアの姿を動 画で撮影する事に驚きを感じ、自分の臨床で取り入れていこうと思いました。

 次にフリーランス歯科衛生士の岡 由美さん 演題 『診る』ためのマイクロ活用法~ハンドスケーリング・シャープ ニング編~ と題し、多くの歯科衛生士が悩み苦戦するハンドスケーリングをいかに低侵襲で行うか。実際に使用しているスケーラーの紹介や状態に合わせての器具の選択の仕方、そしてなぜ正しくシャープニングされているハンドスケーラーが重要なのか、さらにシャープニングにマイクロ を活用する方法をデモンストレーションしていただきました。シャープニングにマイクロを使用するという岡さんの器具へのこだわりや、歯周治療そしてマイクロに対する熱意を感じました。

 最後はうめむら歯科医院で勤務されてる小宮 純子さん 演題 『診る』ためのマイクロ活用法~メインテナンス編~ と題し歯周病治療は患者さんとの長い道のりであり人生に関わることができること、メインテナンスでモチベーションの鍵を見つけマイクロスコープによって診る精度を高めていくこと、そしてそこから得られる情報を分析し個別で価値のあるメインテナンスを行うことの大切さをお話しされていました。

患者さんのモチベーションの維持には山あり谷ありですが、長年勤務されている小宮さんだからこその長期症例からの患者さんとの歩みを見せていただき強い信頼関係を感じました。

講義後は質疑応答に移り、いくつかの受講者からの質問の中で「どの様に知識のアップデートをしているか?」との問いに3名とも歯科関係の 本や時には学生時代の教科書を読んだり、オンラインセミナーなどを活用して勉強されているとの回答でした。歯科衛生士としてのキャリアを長年積まれていても、学び続ける姿勢にとても感銘を受けました。

 今回のテーマでもある『見る』から『診る』ためのマイクロスコープの使い方を学べるセミナーでした。マイクロをただ覗くだけではなく、そこから先の患者さんを診ていくために必要な知識、読み取る力そして技術が必要であり、それを活用していくことが大事であると学ばせていただきました。歯周治療において毎日の臨床でのヒントを今回キャリアを積まれている3名からたくさん得ることができた歯科衛生士は私を含めて多いのではないでしょうか。

今回私は会場参加させていただきましたがこの会場で、向上心のある方々にお会いし刺激を貰い、「勉強をし続けている人は輝いてお仕事されているな」と改めて実感しました。自分自身のモチベーションを高めることができ、とても有意義な1日となりました。

(文責:おおば歯科クリニック 歯科衛生士 松原史織) 

クリックすると拡大し、スライドします。(*集合写真、演者の講演時のみマスクは外しております。)

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